月に一度の洋裁講座、今年度もはじまりました。

今回は「ハサミケース」と「コースター」。
前回のキルティングバックの残り布を使ったまとめになります。
本来なら、新しい課題へと移っていきたいところでしたが
4月初めの何かと慌ただしい時期でもあり、
また、キルト布の余り分をなんとか活用し、何か形にしたいと・・・
小物を2つ~どちらもバイヤステープを使った作品で、
仕立てにひと工夫が必要な課題です。
これまで直線縫いや簡単な袋物が中心だったこの講座ですが、
今回は、“少しだけ難しい”工程を取り入れました。
前回同様、バイヤステープの扱い方を練習するのが主な目的です。
市販の製品を観察すると、バイヤステープが丁寧に処理されているのがよくわかります。
縫い目のラインやカーブの自然さなど、見えない工夫が詰まっていて、
それを自分の手で再現できると満足感もひとしおです。

バイヤステープってこんな感じなのね・・・という雰囲気だけでも味わってもらえたらと思います。

作っていくよ
- 生地を準備して裁断
- 止めテープを作って縫い付け
- 面ファスナーをつけて、入れ口を折り
- バイヤステープ処理
- 仕上げのミシンで完成





作り方はこちらになります。
⇩

難しいけれど、楽しい
「難しそう・・・」と最初は少し戸惑った様子もありましたが、
実際に縫い始めると皆さんとても集中して取り組まれていました。
テープをどう均等に縫うか、直線と曲線とは・・・・・・
ひとつひとつ工夫しながら手を動かす姿は、見ていて頼もしく、
つい手元に目を奪われてしまいます。
難関だった落しミシンも、スムーズに(*^_^*)


この講座では毎回、実用性と学びの両方を重視しています。
ただ作るだけでなく、「なぜこうするのか」「他にどんな応用があるのか」を知ることで、
次の一歩が踏み出しやすくなります。

今回のハサミケースも、コースターもバイヤス始末の練習としては最適です。


月に一度のこの時間
講座はいつも、午後の3時間、皆さんそれぞれのペースで進めつつ、
気づけば空気は静かになり、カタカタとミシンの音だけが響いています。
その集中した空気がとても心地よく、毎回リフレッシュされるような気持ちになります。
講師という立場ではありますが、私もまたこの「月一の時間」が好きです。
誰かと一緒に、何かに集中して向き合う時間。
日常の中で意外と少ないこのような時間が、
こんな形で実現できていることを嬉しく思います。
皆さんの「また来月も来たい」と言ってくださる声に励まされつつ、
同時に「私も、こんな時間がほしかったんだな」と改めて気づくこともあります。
感傷ではなく、事実として。
ものづくりは“孤独な時間”と思われがちです。
確かに作業自体は個々ですが、
人と共有しながら、それぞれのリズムで楽しむものであってほしいと、そう思います。

「難しい」からこその達成感
完成した作品を手に取って、「うまくできました!」と笑顔を見せてくださる瞬間は、
やはり講師として嬉しいものです。
たとえうまくいかなくても、それはその方の「初めての挑戦」の証。
丁寧に作られた作品は、ひとつとして同じものがありません。
「バイヤステープ、難しかったけどなんだかできたよね~」といった声も聞かれ、
「いや、もう一度やれっていわれたら無理かも~」といった声もちらほら(笑´∀`)

講座を重ねるごとに、皆さんの手つきが少しずつ確かになっていくのを感じます。

これからも少しずつステップアップしていけるような構成にしていきたいと考えています。
完成した作品だけでなく、その過程で生まれる工夫や発見、静かな集中のひととき──
そうした「ものづくりのある時間の楽しさ」を、講座の中で味わっていただけたらと、
いつも願っています。
それは、講師としての目標であると同時に、私自身の内側にある大切な想いでもあります。
また次の講座でも、新しい発見とささやかな達成感を一緒に分かち合えることを楽しみにしています。

ではまた♪
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