今年からはじめた山梨県立文学館でのボランティア活動。
併設されているショップでお店番をしています。
月に一度だからか・・・なかなか慣れることができず、特に苦手なレジ業務はアタフタしています💧
その中でも楽しみなのが、休憩時間に館内を見て回れる事。
前回も、「文学はおいしい」展での様子を、語らせてもらいました(笑)
今回、開館35周年記念として開催されている「金子兜太展」に、行ってきました。
短い時間でしたが、金子兜太という人物と、
俳句の世界に触れる貴重な機会となりました。
今回は、そんな体験を綴っていきたいと思います。
金子兜太
1919~2018 埼玉県比企郡小川町生まれ
旧制水戸高等学校在学中の1937(昭和12)年にはじめて句会に参加し、本格的に句作をはじめる。1941年に東京帝国大学経済学部在学中、加藤楸邨(しゅうそん)主宰の「寒雷(かんらい)」に投句し、楸邨に師事する。
大学卒業後、日本銀行へ入行、その後、海軍主計中尉としてトラック島に赴任、餓死者が相次ぐなか奇跡的に命拾いをし、終戦後の1946年11月に復員した。
1947年、日本銀行へ復職する一方、「寒雷」へ復帰し、沢木欣一(きんいち)の「風」創刊に参加、社会性俳句運動に共鳴する。1960年頃より前衛俳句の旗手として注目を集め、80年代には俳句雑誌「海程」の主宰となり、現代俳句協会会長を務めた。
山梨県立文学館HPより
俳句の魅力
今回の展覧会では、金子兜太の代表的な句をはじめ、
彼の人生や作品世界を深く掘り下げる展示が数多くありました。
普段から俳句に触れる機会は多くはありませんが、
(というか、ほぼなし)
展示を鑑賞する中で、俳句が持つ奥深さ、そして表現力の豊かさを改めて感じたような気がしました。
「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)どれも腹出し秩父の子」
秩父の風景とそこに生きる人々の姿を、たった17音で鮮やかに描き出しています。
「彎曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン」
戦争の悲惨さと、それを乗り越えようとする人間の強靭な意志が伝わってきます。
「雑草の中にも思想ありけり」
中でもこの句は、俳句のなんぞやについては何もわかっていないような私にも
すんなりと入ってきました。
雑草のように、力強く生きる生命の中に思想を見出すという、
彼の独特な視点が見えてきます。
雑草という一見何気ない存在の中にも、何らかの意味があり
と同時に、私たちを取り巻くすべてのものに、
何かしらの意味や価値があると捉えました。
これらの句に触れることで、ただ言葉の羅列として捉えていた俳句が、
実は作者の心の風景や社会に対する鋭い視点、
そして、深い思索を凝縮したものであることに気づかされました。
これらの句が受け入れやすいのは、二つの理由と考えました。
- 身近な題材:日常生活で目にする風景や、誰もが経験する感情を題材にしているため、共感しやすい。
- 言葉の力:美しい言葉選びや、比喩表現によって、心に強く印象を残す。
金子兜太の俳句は、単に美しい言葉の羅列ではなく、
作者の思想や体験が凝縮された、奥深い作品です。
金子兜太の俳句には、反骨精神や人間社会の不条理に対する批判的な視点がしばしば現れます。
この句においても、雑草の中に「思想」があるということで、
雑草を単なる無価値なものとしてではなく、
何らかの抵抗や意義を持つ存在として肯定しているようにも感じられます。
彼の俳句には、社会の権威や既存の価値観に対する挑戦や反発が見られ、
その一環としてこの句も解釈できるのかもしれません。
ただ、そんな難しいことよりも、文字から視覚を通し、脳内で再生されたリズムを
素直に味わってみる・・・ということでいいのではないでしょうか。
これらの句をきっかけに、金子兜太の世界に触れてみてもよし、
また俳句の世界に足を踏み入れてもよし、
人それぞれで、捉え方も自由でいいのでは?と思いました。
心のゆとり
忙しい日々を送っていると、ついつい目の前のことに追われてしまい、心の余裕を失いがちです。
しかし、今回の展覧会で、短い時間でも美しい言葉に触れることで、
心のリフレッシュになると実感しました。
このように、短い時間でも、静かに自分の気持ちに寄り添うことで、
日々の生活の中で見失いがちな大切なものに気づかせてくれる・・・のかもしれません。
今回の「金子兜太展」は、私にとって、俳句の魅力を再発見できた貴重な機会となりました。
実は、今回初めて「金子兜太」を知りました。
しかし業界では、師事している人も多く、遠くからこの展示を見に来られる人も多いです。
はじめて「金子兜太」の名を耳にしたときは、
(え?誰?)と・・・罰当たりにも思ってしまいました。
俳句の魅力を再発見できただけでなく、「金子兜太」という俳人を認識できただけでも
ありがたいことだなぁと感じています。
だから!今後も、このような素晴らしい展示会が開催されることを楽しみなのです。
秋の野菜
文友(文学館のボランティア友だち)のmさんから、野菜をたくさんいただきました(^_^)b
年齢も近く、お店番が一緒になる機会も多いため、よく話すようになりました。
何も知らない私に、いろいろあれこれと教えてくれました。
仕事の内容はもちろん、その他様々なことを、わかりやすくていねいに、また感じよく
本当に助かりました。
お礼をしたいのはこちらなのですが、なんと自宅の畑で作って野菜をもらってしまい恐縮です。
大長なす(細なす)が珍しくて、写真を撮る前に調理してしまう💧という痛恨のミスもあり(^^;)
それでも、どれも採れたてで新鮮!!!
着物やお茶、そして農ガール(?)といろいろ多趣味なshishimisaさん。
毎日、忙しく精力的に活動しておられます。
本当に、私もなんか趣味的なもの?をしてみたくなります。
そんな日常を、ブログに綴っておられますので、よろしければこちらも覗いてみてください。
mさんのブログはこちらから
⇩
shishimisaのブログ
ありがとうございますーーーー。
柔らかくて美味しくて、すぐ食べてしまいましたけどね💧
10月に入ってから、さっぱりしない日が続いていますね。
山梨本社としては、稲刈りが先送りになってしまい、落ち着かない日々を過ごしています。
こればかりは自然相手なので仕方ない・・・と諦めてはいるのですが
早く稲刈りも完了し、ホッとしたいところです。
また暑い日も来るらしいしね☀
気をつけてお過ごしください。
ではまた♪
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