本を読むのは好きだったけれど
さらに好きになったきっかけの本があります
それが、よしもとばななさんの著書になります
『キッチン』と『悲しい予感』
初めて手に取った、20年くらい前から
特別な思い入れのある本になりました
その頃私は、子育てがちょっと一段落した頃
それまでは、生活を回していくのに精一杯で
本を読む余裕など、全くありませんでした
子どもたちもそれぞれ学校に通い始め
少し余裕が出始めた頃です
日中に本屋をめぐり、気に入った本を物色
誰にせかされることもなく、ゆっくりと店内を見て回る・・・(#^.^#)
洋裁の他に、趣味のようなものはなく、何かはじめてみようか。。。などと
思っていました
そういえば本が読みたいな・・・
そこでふと目にした本が、この2冊でした
その柔らかな文章に、魂を揺さぶられる思いでした
ほんのわずかな心の中の葛藤や、諦めや微妙なズレを
心の奥の隠された気持ちを、しっかりと取り出してくれる
人に言うほどでもないけれど
でも絶対的にいつも感じている事
それらを柔らかく包み込んで、そして胸の内からそっとあぶり出してくれる
そんな言葉の数々でした
言葉選びをじっくりと味わいたいから
いつもゆっくりと一語一語かみしめながら読んでいきます
物語の進行ばかり気になってしまって、
ついつい先へ先へと急いで読んでしまうこともなく
こういう展開なのね・・・とか
こういう言い方するのね・・・とか
よけいなことを考えることもなく
ただ純粋に、そう、こんな感じ・・・と
自分の気持ちと照らし合わせながら
読み進める時間は
とても貴重な初めての経験でした
新しい、見たこともない、考えたことも想像することさえもしなかった
全く別の道が、この世にはあるのだと
せまい地域の、さらに狭い家庭の中で
小さく静かに暮らしていた私に、教えてくれました
世の中は広いんだぞと
まわりを見回して!上を見て!下を見て!
斜め下ばかり見ていたことに気づいたのです
もちろん本の内容は、そういった類の啓発本ではありません
勇気を出せとか、元気に生きろとか、そういったものでもありません
ただ淡々の物語が進んでいく
そのゆっくりした流れと共に、その文体に深く心を奪われました
気が付けば、いつもそばに置いていました
そして、なぜか何度も買い足してしまう(笑)
それから、また本をたくさん読むようになりました
あれから20年、いろいろな作家の本を読んでは
それなりに感動してきたりしましたが
ここまでガツンと心に響いたものにまだ出会っていません
こんな文章が書きたいと・・・いつか書いてみたいと
そんなことはできるはずはないのだけれど
諦めきれず、そう思いながら、ここまで来てしまいました
もう一度学び直したい、と思った理由の一つが
これだったのかもしれません
自分の思いを自分だけの言葉で、しっかりと表したい
沈んだ忘れかけた思いを、言葉にしたい
これがこれからの人生の課題なのかもしれませんね・・・
壮大過ぎた💧
春のせいだね
ではまた♪
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